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A/T

更新日:2013年8月30日|日記

こんにちは。今日の湿度は最高ですね。。。もう勘弁してほしいです。。。

 

さて、現在A/TのO/Hをしておりますが、原因がはっきりしたのでちょっと書いてみます。

とは言っても、1300ccのよくあるトラブルですね。

 

写真は、ギアキャリアとリバースバンド。見てわかるように、本来なら、このバンドでギアキャリアを締め付け、回転を止めるわけですが、当然これでは、止める事はできません。症状としては、当然リバースが動かなくなります。

 

では、なぜほとんど使わないであろうリバースがこのような状態になってしまうのでしょうか。答えは、構造を理解していただく必要があるので、文章を書く事が下手な僕はここでは説明はしません。知りたい方は直接聞いてください。メールでも構いません。

 

本当に簡単に言うと、ニュートラルから前進にシフトを入れたとき、ショックをやわらげる機構が備わってます。それが、リバースと関係してまして(正確にはリバースと3速)、シフトする度にそれが行われます。それが、うまい事成立しないとこのように磨耗してしまうんです。

よく、信号待ちなどでニュートラルへ入れないほうがいいですよと言われます。はたして、どれだけの方がその理由を理解しているかわかりませんが、間単に言うと、この為です。

ただし、本当の理由はどうでしょう?この車両はそれをやっていたからこうなったのでしょうか?

・・・そんなわけない・・。おそらく他に原因がありますね。

 

リバースがこうなってしまった理由は、リバースを微妙に締め付けながら走っていた事が推測されます。先ほど簡単に説明した機構が最後まで成立せずに途中の段階で走ってしまっている。もっとわかりやすく言うと、最後まで成立してはじめてリバースが開放され、前進の制御に移ります。そうでない途中の段階のままなので、リバースをひきずった状態で走ってしまうんですね。

 

では、なぜ途中の段階のままなのか?答えは、油圧が上がらないからなんです。証拠にこちら。

2速のピストンですが、シールがぶっ飛んでます。これでは、2速を締め付ける事はできず、油圧も上がらないので悪循環。こうなると一気に至る所の磨耗が進んでしまいます。2速にシフトする度に瞬間的にリバースもしめてしまうので、リバースがあのようになるわけです。

 

本当の原因はコレか?シールの材質不良?

 

僕は、そうは思わないです。本当の原因、それはやっぱり油圧が上がらなかった事でしょう。おそらくどこかのタイミングで、オイルそのものやオイル不足などにより2速へシフトする度にジャダが出てたと思います。ジャダがでれば激しくピストンが振動しますので、ゴムシールなどは、切れて当然。元をたどれば,コレが原因でピストンのシールが切れ、リバースがダメになったと推測します。

 

もっとたどれば、単純明快、オイル管理なんです。高温になっても油圧がしっかり保てるオイルが大前提。いいオイル(合うオイル)をいいサイクルで管理。また、日頃のオイルレベルのチェックも大切です。それから、1300の場合、シフトのつながりをやわらかくする為に2速の油圧のかかり方をわざとゆっくりやってます。開放する時は特に針の穴みたいな小さな穴からオイルを排出します。異物が詰まると、さあ大変です。オイルフィルターの交換も大切なんです。

 

コレが言いたいが為に、がんばって書きました。やっぱりオイルなんです。

 

このように書きましたが、今回のこの車両、距離も相当走ってます。1000ccの頃と比べて磨耗剤の違いも当然あり、オイル管理がすべての原因とは思いません。ただ、最後のほうはこれらが加速的に進んだものと推測します。いい機会でしたので、このように書かせていただきました。実際、走行距離がそこまで走っていないのにこのような同じトラブルが出てる車両がたくさんあります。

 

A/Tは、すべての機構が正常に働かないとこうなります。そういう構造なんです。しかもそれはすべて油圧で動いてます。正常に動かす為に我々が最低限出来る事、それはオイル管理です。それが出来てれば、信号待ちでニュートラルへ入れる事に問題があるとは思いません。やらないほうがいいであろうとは思いますが・・。

 

 

 

 

 

 

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